2023年4月11日

6.家づくりにかかる諸経費について

家づくりにかかる諸経費について
お伝えしていきます。

諸経費とは、
"住宅ローンを借りる時に
銀行に支払わなければいけない経費に
"火災保険・地震保険料"、
それから土地家屋調査士や司法書士に
してもらうことになる"登記費用"の
3つのことを言います。

まずは、銀行に支払わなければ
いけない経費ですが、
これは選ぶ住宅ローン商品に
よってかかる経費が違ってきます。

例えば、固定金利選択型の住宅ローンでは、


✔印紙代 
✔事務手数料 
✔保証料

収入印紙.png

この3つの経費が必要となるのが
一般的なのですが、
フラット35であれば、
保証料はいらないものの、

✔融資手数料 
✔印紙代 
✔団体信用生命保険料
✔つなぎ融資手数料 
✔つなぎ融資金利

といった全く違う経費が
かかってくることになります。

また、同じ固定金利選択型の
住宅ローンだったとしても、
銀行や借入れする人によって
条件が違ってきます。

フラット35のつなぎ融資にかかる
手数料や金利は、土地を自己資金で
買うのかそうじゃないのか?
によっても違ってくることになります。

一般的には、これらの経費は、
銀行がオススメする固定金利選択型の
住宅ローンは安くて、あまり銀行が
オススメしてくれない固定の住宅ローンは
高いものなのですが、
金利に加えこれらの経費まで安いという
理由から安易に固定金利選択型ローンを
選んでしまう方が多いので、
注意していただければと思います。

では、
続いて『火災保険・地震保険』について
お伝えします。
火災保険については、損害保険会社に
よって違いがあり一概には言えないので、
火災保険を選ぶ上で最低限の知識を
お伝えしていきます。

ie .png

まず、火災保険は『建物のみ』に入るか?
あるいは『家財』にも入るのか?
という選択肢があります。
『家財』とは、テレビやソファなど
のことですが、もちろん『家財』まで
入ると保険料は高くなります。

そして次に、保証範囲によって
支払う費用が違ってきます。
火災保険ですから、
もちろん火災による被害には
対応しているのですが、
ここ最近では、自然災害による
浸水被害が増えていることから
『水災』による被害まで
網羅される方が多くなっています。


火事.png

そうなれば費用は
もちろん上がってしまうのですが、
このご時世ですから、
少し土地が低いなと
感じている方だけじゃなく、
たとえ心配がない地域に
住まわれる場合でも、
多少費用をかけてでも水災には
対応しておくほうが
無難かもしれませんね。

また、火災保険の価格は
『建物の構造』によっても
違ってきます。
少し意外かもしれませんが、
実はこの建物の構造が、
火災保険の価格を最も
左右するんですよね。

木造住宅では、建物の構造は
『耐火(T構造)』と
『非耐火(H構造)』の2つに
分類されます。

家.png


新聞広告やインターネットで
見たことがある方も
いらっしゃるかもしれませんが、
『省令準耐火構造』という構造が
木造住宅では耐火構造(T構造)
にあたります。

そして、耐火なのか非耐火なのかで、
火災保険の価格はなんと
60%近くも変わってしまいます。
パーセンテージでは、
いまいちピンと来ないでしょうから、
数字でご説明させていただきます。


例えば、火災保険は10年間までは
一括払いをすることが出来るのですが、
2000万円の建物で耐火と非耐火を
比較してみると、あくまでザックリですが、
耐火なら10年で約15万円なのに対し、
非耐火なら10年で約35万円もの費用が
かかってきてしまいます。
その差なんと約20万円です・・・
しかも10年で・・・

エン.png

ですから、住宅会社でプランを
してもらう際には、その会社の建物の
基本構造が、耐火なのか非耐火なのかを
しっかり確認していただければと思います。
また、あなたが希望していることが
耐火基準から外れることもあるので、
その点も住宅会社に確認しつつプランを
してもらってください。

『地震保険』に関しては、
ポイントが5つあります。

1つ目は、
"どこの保険会社で加入しても条件が同じ"
だということです。

2つ目は、
"火災保険に入らなければ、
地震保険単体では入れ
ない"ということ。

3つ目は、
"最長で5年なので、
5年ごとに更新しなければいけ
ない(1年ごとの更新も可)"ということ。

4つ目は、
火災保険同様"耐火構造なのか
非耐火構造なのかで保険料が
60%近く変わってくる"ということ。

5つ目は、
"最大で建物の価格の
半分までしか補償してくれな
い"ということ。

つまり、もし地震が起こり、
全壊したとしても、
あなたが家を2000万円で建てたとしたら
1000万円までしか保険が
おりてこないということなんですよね。

ふ.png

ですから、地震保険さえかけていれば、
地震が起こった時に建替えが出来るという
勘違いだけは決してしないように
していただければと思います。

地震保険は、当面の生活資金のための
保険だという風に認識していただいていた方が
いいでしょう。

『地震保険』は以上の5つを
覚えておくようにしてください。

では最後に、『登記費用』について
お伝えしていきます。
登記に関しては、もしあなたが現金で
家を建てる予定でいらっしゃるならば、
その多くを省略することが出来ます。
しかし、銀行で住宅ローンを
借りて家を建てるのであれば、
銀行があなたの土地や建物を
担保として設定するようになるわけなので、
必要になってきます。

では、一体どんな登記が
必要になるのかをご説明します。

✔所有権移転登記・・・
土地を買った時に名義を売主から買主
に移すための登記
(土地から買って家づくりをする方は必要)


✔建物表示登記・・・
新築したときに構造や面積、敷地との関
係を示す登記
(住宅ローンを借りて家を建てる方全てに必要)


✔建物保存登記・・・
新築した家が自分の持ち物であるという
ことを第三者に示すためする登記
(住宅ローンを借りて家を建てる方全てに必要)


✔抵当権設定登記・・・
融資した銀行が土地や家を担保に入れ
たことを第三者に示すための登記
(住宅ローンを借りて家を建てる方全てに必要)


✔建物滅失登記・・・
建替えするにあたり、もともと建ってい
た家を取り壊したことを証明するための登記
(古い家を取り壊して家を建てる方は必要)


✔土地地目変更登記・・・
畑や田んぼなどの農地であったり、
雑種地といった宅地以外の土地を
宅地に変更するための登記
(宅地以外の地目の土地の上に
家を建てる全ての方に必要)


とまあ、
土地から買って家づくりをするのか?
建替えなのか?
によって必要になる登記は違うのですが、
この6つを覚えておいていただければ、
大丈夫だと思います。

いかがでしたか?
これであなたも諸経費について
ご理解いただけたと思います。

全体予算から、これらの諸経費に加え、
家具や家電、地盤改良費用、引越代といった
その他諸々の経費を差し引いていただければ、
あなたが土地や家に掛けられる予算が
より明確に出てくることになります。
これでようやく土地探しに進めることになります。

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